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モーターに翻弄される男

モーターに翻弄される男

作成日:2010/08/25

 

「…うぉー!えーカンジやぁーっ!」

 

「あ…ちょっと偏ってきたかも…」

 

「…うっ!わあぁ!!とめてー!モーターを止めてぇーっ!」

 

「あ~あ…切れた…」

 

 

授業中にも関わらず、騒がしいハード実習室。

現在、ギターエンジニア専攻の電気に関する授業「エレクトロニクス」の真っ最中。

 

息を呑むような張り詰めた空気が流れるかと思うと、ある一瞬で「ぎゃー!」と騒がしくなっている理由は、ピックアップのワインディング体験。

 

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ギター・ベースのピックアップ(マイクとなるパーツ)のうちマグネチックタイプと呼ばれるものは、

プラスチックや紙のボビンに髪の毛よりも細いエナメル線を何千回とぐるぐる巻きつけた構造になっているのですが、

その構造や仕組みを知るには、実際に作ってみるのが一番!と、

手作りのモーター付きワインディング・マシンで、これまた手作業で細~いエナメル線を上手く操作しながら巻きつけている、というわけ。

 

 

…と文章では簡単に言えるものの、そこは恐ろしい勢いで回転するモーターを使用しての作業(でないと何千回も巻けませんからね)、切れるわ切れるわ、ちょっと気を抜くと細いエナメル線は簡単に宙を舞います。

途中で切れれば、もちろん使い物になりません。全部外してまたイチからスタート。

 

もちろん、ピックアップを主力とした各メーカーはもっとオートメーション化されたシステムで作られていますので、こんな巻き方は過去の方法ですが、それでも学生にとってはめったにできない体験です。

 

見事巻き上げて記念撮影、ギタエン2年の河野君。

 

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ご覧下さい、晴れ晴れとしたこの表情!

 

それもそのはず、丸々ひとコマ90分をかけてやっとこさ巻きあがったピックアップ、渾身の1コ。(涙)

 

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普段何気なく使っているパーツの奥深さを知ることができた授業でした。