1. Home >
  2. > > ギターエンジニア志田涼氏特別授業

ギターエンジニア志田涼氏特別授業

ギターエンジニア志田涼氏特別授業

作成日:2009/06/05

志田工房@三重県 5月29日(金)にギター工房を営む志田涼氏(志田工房)による特別授業が行われました。 今回は、 1:ギターエンジニア1・2年生を対象に「現在の楽器業界」についての講義 2:ギターエンジニア2年生を対象に「インレイワーク」の実技講座 という2部構成で実施していただきました。 <1:現在の楽器業界> 全員起立しての挨拶から始まった特別授業は、前半、志田さんご本人にこれまでの経歴を順に追う形で説明してもらいながら、学生にアドバイスをいただく講義形式で進んでいきました。 専門学校卒業後まもなく工場で実際に楽器を製作する仕事についたこと、その数年間で技術はもちろん、集中力や体力を身につけることができたことや、先輩から教わったこと・後輩に指導して改めて学ぶことがあったことなど、身振り手振りを交え話してくださる姿に学生もどんどん引き込まれていく様子が良く分かりました。 中でも、ご自身で志田工房を立ち上げた際に、どのようにプロモーション活動をしていったか、またそのときの苦労話などは、最終的に独立して工房をしたいと考えている学生も多いギターエンジニア専攻の学生には興味深い話だったようです。 そういった経験談や現在の楽器業界事情を踏まえ、これからはもっとレベルの高い技術が必要とされること、そのためには目標を高く持ち、何度も繰り返し作業をして技術を高めることが大切であるとのアドバイスをいただきました。 最後は質疑応答の時間をとっていただき、日頃疑問に思っていたことや、講義内容から聞いてみたいと思ったことなど、学生の質問に一つ一つ丁寧にお答え頂き、前半が終了しました。 <2:インレイワーク実技講座> 後半は2年生を対象に、高級ギターに欠かすことのできない、「インレイワーク」の授業。 「インレイ」とは、ギターやベースの指板面やヘッドトップ、ボディー表面などに貝や銘木を使った装飾のことです。 実際に志田さんが製作されたインレイ入りのギターや、インレイを入れる際の材料となる白鳥貝やメキシコ貝、道具などをサンプルに見せていただき、一般的に海外の伝統技術に思われているが実は日本にも古くからあった手法のひとつであることも紹介してくださいました。 作業内容の大まかな説明があった後、普段授業でも使用している電動工具や彫刻等などを使って、実際にインレイワークを体験。今回は白いピックガード材(塩ビの板)をマホガニーの木片に埋め込む作業をご指導いただきました。 まずは比較的作業しやすい、四角のインレイからスタート。 埋め込むインレイ(白いピックガード材)を整形後、埋め込む木材にその形を写し取り、ボール盤(卓上ドリル)で目安となる深さをできるだけたくさん掘り込み、マーキングします。あとは彫刻刀やノミを使用し、ひたすらインレイがぴったりと収まるまで手作業で掘り込んでいくのみ! 予想していた以上に細かい作業に戸惑いながらも、黙々と掘り進めていくギターエンジニア2年の学生。出来上がりを志田さんにチェックしてもらい、アドバイスをいただきながら、小さい四角→三角…とだんだんと難易度の高いインレイに挑戦していきます。 「1回目より2回目、2回目より3回目…どんどん綺麗になっていくようにしないと意味がないよ。」との志田さんの言葉に、前半の講義で教わった「目標を高く、繰り返し作業をして技術を高めることが大切」というアドバイスを学生も身をもって体験できたようでした。 まだまだ作業したい!という雰囲気の中、後半の実技講座も終了。 最後に再度、質疑応答の時間をとっていただき、技術者としてのメンタル面についての質問までが飛び出すぐらい、学生も積極的に志田さんにアドバイスをいただいていました。 最後に志田さんを囲んで記念撮影をして特別授業全内容を終了。 全部で約3時間の特別授業でしたが、楽器業界の今を知ることができ、また一方で古くから伝統的に行われてきたインレイワークも体験できるという、とても内容の濃い特別授業となりました。 楽器業界の第一線で活躍されている立場から、時には楽器業界の厳しい実情などのお話も出ましたが、これから本格的に就職活動をしていこうとしている2年生はもちろん、学生生活にも慣れてきた1年生にとっても、気持ちを引き締める良い機会になったように思えます。 これから楽器業界に飛びこんでいくギターエンジニアの学生にとって、印象深い特別授業になったのではないでしょうか。

ギターエンジニア志田涼氏特別授業ギターエンジニア志田涼氏特別授業ギターエンジニア志田涼氏特別授業

 

ギターエンジニア志田涼氏特別授業ギターエンジニア志田涼氏特別授業ギターエンジニア志田涼氏特別授業