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やなわらばー INTERVIEW

やなわらばー INTERVIEW

作成日:2011/09/13
「目に見えない思いが届いてほしいっていう気持ちで一生懸命歌っています」

沖縄の方言で“いたずらっこ”という意味のやなわらばーは石垣島出身の2人が結成した女性ユニット。
沖縄風情ある三線とギターが合わさる独自のサウンドをポップに奏で、2人のボーカル&ハーモニーが心に優しく響いてくる。
そんなやなわらばーの学生時代の思い出や現在の音楽活動、今後の目標についてインタビューしました。

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プロフィール

石垣島(沖縄県)で生まれ育った幼なじみの石垣優(ボーカルと三線)と  

東里梨生(ボーカルとギター)からなる女性ユニット。

’03年にデビューし、  全国各地のイベントやストリート、ライブハウスで音楽活動を続ける。

’05年には約2週間に渡って、アメリカの西海岸で音楽活動を行う。

’06年7月にケツメイシのRYOJIをプロデューサーに迎えた『唄の島』をリリース。

’08年には、ドラマ主題歌に抜擢された『拝啓○○さん』ほかが収録された

 1stアルバム『歌ぐすい』をリリース。オリコンウィークリーチャート6位を記録する。

’08年には卒園ソングとして話題を集めた『ぷれぜんと』をリリースし、

全国の幼稚園・保育園ライブを行う。

’10年11月に約2年振りのアルバム『ゆくい歌』をリリースした。

 

やなわらばー OFFICIAL SITE はこちら


 

ーー本日はやなわらばーの石垣さんと東里さんにどんな姿勢や思いでアーティスト活動しているのか、
少しCAT時代のことも交えながらインタビューさせて頂きますのでよろしくお願い致します。
ず始めにお2人は幼馴染と伺っておりますが、いつ頃から一緒に音楽活動をしようと思ったんですか?

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東里●音楽活動は大阪に出てきてCATに入ってからですね。
それまでは普通にカラオケ友達で、2人でハモったりして遊んでました。
CATでは、(石垣)優ちゃんはボーカル専攻、自分がPAの専攻で
バラバラだったけど、二人ともホームシックになってしまったんです。
その時に、島(石垣島)の良さを改めて感じて、
 海ってあんなに青かったんだなとか、三線の音聴きたいなと思って、
 その中から『青い宝』という曲が生まれたんです。
それから2人でやってみる?ていうことになって、
先生が「公開オーディションに出てみたら?」と勧めてくれたので、
1日限りのつもりで名前も“やなわらばー”と適当につけて
出演したら、優勝してしまったんです。それから、ライブもやるようになり、
自分たちでも伝えられることがあるかなと思うようになって、ちゃんと練習したり曲もちょっとずつ作るようになりました。

ーーCAT時代の話が出ましたが、印象に残っているエピソードなどございますか?

石垣●毎日面白かったよね!
東里●1年生の冬に雪が降ったんですよ!沖縄は降らないので珍しくて、授業中だったけど、
先生が見に行っていいよって言ってくれたので玄関に出て見ていたら、優ちゃんも来たんですよ(笑)。
石垣●ほかにも、自分たちが一番思い出に残っているのは、4階のロビーですね。あそこでいつも練習してたんです。
音の響きが良いので、いつかあそこでレコーディングしたいな!って思うぐらい。
あそこから見える景色も好きで、夏になったら緑もあって、春は桜、秋は紅葉が見れて、本当に何か特別なイメージがあるよね。
東里●そうそうそう!あそこがやなわらばーの原点ですね。

ーーでは次に、音楽をする上で影響されたアーティストはいらっしゃいますか。

東里●好きなアーティストと自分たちがやってる音楽は全然違うんですよ。自分はブルーハーツが大好きで。
大阪にいる時もパンクやロックを聴いてたんですけど、やっぱり生まれ育った島の音楽は自然に入ってますね。
民謡も別に面白くないとか思ってたけど、でもやっぱ大阪に出てきて
三線の温かさとか、知らないうちに耳に入ってたんだなって思います。

ーー石垣さんはどういう音楽を?

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石垣●このアーティストというより、
この曲が好きだからっていう感じで聴いていくんです。
 アーティストはそれぞれ個性があるので、あえていろんな人の曲を聴きますね。

ーー『どぅしぐわー』や『キムガナサ』など、
 沖縄の方言をタイトルに用いられている楽曲も多いのですが、
歌詞を書いたり曲を作る上で、方言は意識していますか?

石垣●方言は全然、意識してないですね。
『アカユラ』は、あえて今だから気付く(石垣島の)美しさっていうのを書いたので、
方言をいっぱい入れたんですよ。
東里●自分たちの世代って方言が分からなくなってきてる世代でもあるから、
それを通して残ればいいなと。

ーー昨年リリースされたアルバム『ゆくい歌』についてお訊きしたいのですが、
どのようなアルバムに仕上げたかったのでしょうか。

東里●結成10年目の作品だったので、1度原点回帰というか、ちょっと大人になって昔とは違う島の見方ができるようになり、
 原点も振り返りつつっていうような1枚になりましたね。
2年ぶりのアルバムだったので、まだまだ入れたい曲もあったんですけど。
ジャケットは札鹿島っていう、神様が住んでいる島って言われているところで撮ったんです。
石垣●1曲1曲のアレンジも凝っていて、小さな音にも結構こだわって作っているので。
ヘッドフォンでいろいろ感じながら聴いてもらったら嬉しいなーって思っています。

ーーアルバムの一番最後の『平和の歌』という曲は、平和のための祈りや問いかけのように感じますが、
どういうきっかけで作って今回のこのアルバムに入れようと思ったのですか?

東里●私たちは沖縄に生まれた事もあって、小さい頃から戦争のことを聞く機会がたくさんあったし、
生々しい当時の映像を小さい頃から見てるんですよ。そういう印象があるから、戦争はいけないものだっていうのがリアルにあって。
戦争のことって言いづらいし、受け取りづらいじゃないですか。平和っていう言葉自体で構えてしまうから。
だから自分たちもあえて歌ってこなかったんですけど、
 まずは好きな人や友達、親といった身近な人を大事にすることが平和に繋がることだから。
大きく構えるんじゃなくて、「身近の人を思ってね」っていうメッセージを込めてますね。

ーー戦争ではないけれど、今年は大きな震災があったりしたので、この曲を聴くと何か沁みてくるものもありますよね。

東里●自分たちも被災地に行っているんですが、被災した皆さんはほんとに自分たちで動いてがんばっているんですよ。
石垣●すごいよね。自分たちが行くと、来てくれてありがとう!って言ってくれて、自分たちを笑わそうと一生懸命してくれたり、
では被災地に行くんじゃなくて、友達がいるからお手伝いしに行くっていう感覚だよね。
東里●自分たちは歌で何か届けられるんだったら何回でも行って歌いたいなって思うし、
全部繋がりだし、近くにいる人を大事にできるなとそこに行っても改めて感じましたね。

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ーーまたそういう体験から良い歌ができてくることを期待してます。
 今後、どんなアルバムを作っていきたいですか?

東里●やなわらばーを始めて4・5年目までは、
やなわらばーのイメージを自分たちの中で固めすぎてたんですけど、
今は、どんどん挑戦できている時期なので、
次のアルバムでは新しいことをしていきたいですね。
石垣●ストックは200曲ぐらいあって、
結構やなわらばーじゃない雰囲気のものが多いんですよ。
今年後半から来年はじめぐらいには、
 やなわらばーってこういう部分もあったんだっていうのを、
ちゃんとリアルに出していけるんじゃないかと思っているので。自分たちも楽しみですね。
自分たちにとって沖縄の音楽ってくくられることは寂しいことなので、沖縄というジャンルじゃなくて、
やなわらばーは、やなわらばーだよね。って言ってもらえるのが一番嬉しいですね。

ーーライブについてお訊きしたいのですが、お2人がライブの時に1番大事にしているこは?

東里●ステージ上ではハーモニー重視ですね。声の伸ばし具合や息の切り方とか。
自分たちは、メインボーカルが結構入れ替わるので。
バランスは常に勉強中ですね。2人の声で1つの作品だから、どんな場所でもそこは常に意識してやってます。

ーー以前、アメリカでライブを行われたり、小学校や幼稚園でもライブをされていますが、どんな違いがありますか?

石垣●幼稚園は歌を聴かすという感覚ではないですね。
東里●伝えようとかではなくて、どれだけ同じ目線で楽しむかっていう感じです。
こっちが、「皆さん元気ですかー!」って言ったら「はーい!」って、乗っかってくるから。
石垣●ちょっとテンション低いと、バレるんですよ。子供達もなんかつまんなさそうな感じで。アメリカ行ったときは、もう、言葉じゃなくて。
東里●それでも、涙してくれたり、「綺麗な声でした」って言ってくれたりするから、ほんと言葉は関係ないんだなあって思って。
石垣●歌ってるときは結構、言葉を伝えようって感覚ではなくて、目に見えない思いが届いて欲しいっていう気持ちを
一生懸命歌っています。必死で歌うっていうのが大事なのかもしれないです。
東里●それはどこでも共通してるかもしれないですね。

ーーでは最後に、今後の目標を教えて下さい。

東里●自分たちずっと、ライブアーティストになりたいと思っているので、やっぱりずっと何十年先でも、
「やなわらばーのライブは人がいっぱいだね」「やなわらばーはやっぱ生の歌だよね」ってずっと言い続けてもらえるように頑張りたい。
自分たちの良さをちゃんと生かしてずっと続けるっていうのが、自分の夢ですね。
石垣●曲っていうのは常に作り続けないといけないし、
どういう風に雰囲気の違う新しいものを作ろうかなという模索をしないといけないなと。
ライブもお客さんにまた来ようと思ってもらうためには、どうしたらいいんだろうっていうのは日々考えないといけないし。
やることは沢山あって、それをほんとに諦めずに続けることを目標にしたいですね。
そうすると、会場も大きくなっていくだろうし。東京の国際フォーラムAで、いつかワンマンライブがしたいなって思っているので、
その気持ちをリアルにちゃんと持って続けていきたいと思ってます。


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