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ローディー研修レポート! in 京都

ローディー研修レポート! in 京都

作成日:2018/12/18

 

皆様、はじめまして。
ギターエンジニア専攻1年の山中です。

 

キャットミュージックカレッジ専門学校では、授業で学んだ事柄をより自分のものにする為、また音楽業界で活躍する先輩方とのコネクションを作る為に、研修という形で実際に現場へ赴くことがあります。
僕が在籍するギターエンジニア専攻は木を削っているだけの専攻と思われがちですが、全然そんなことないんですよ!
将来的にローディー(ミュージシャンに対するサポートなどの業務を行う人のこと)を目指す人もいることから、僕たちにも現場研修の機会が設けられています。

 

野外フェスだったり、大型のホールだったり、現場の形態は様々。
今回は、僕が先日行ってきた研修をレポートします!

 

この日の研修現場は京都・南禅寺にある無楼菴(むりんあん)。
日本の名勝にも指定された庭園を持つ、歴史ある建物です。
ここで行われたベーシスト守家巧さんのソロ演奏にローディーとして参加させて頂きました。

 

守家さんは僕と同じギターエンジニア専攻の卒業生であり、近年ではフジロックやBlueNoteJazzFestivalなどにも出演されている、超活躍中のベーシストです!
※守家さんについて詳しくはこのページ最後に紹介します!

 

当日の主な業務は機材の運搬。そして守家さんのサポート。
京都の蹴上駅にて守家さん、サポートピアニストのジョン中山さんと合流。
ゴロゴロとウッドベースを運ぶ守家さんと握手を交わし、僕はキーボードを担いで急ぎ足で無楼菴へ機材を搬入します。

 

 

現地のスタッフの方と軽く打ち合わせをし、守家さんは着物の着付けへ。
この日のイベントはドレスコードがあり、お客さんは皆さん着物で来られるとのこと。もちろん守家さんも着物着用で演奏されます!
日本庭園で着物を着てウッドベースを弾く、というシチュエーションは何とも豪華なものです。

 

 

日もすっかり落ち、いよいよリハーサルが始まります。
着物を着た守家さんの代わりにウッドベース、機材を運び、セッティングし、リハーサルの様子を見守ります。

 

 

ライトアップされた庭園は言葉にできない美しさです!

 

 

サポートピアニストのジョン中山さん。
普段は関東を中心にジャズピアニスト、コンポーザーとして活動されているそうです。
今回は中山さんが使用されるキーボードを運ぶのも僕の大切な仕事でした!

 

お二人の息の合った演奏が繰り広げられると、庭園の木々もより一層美しく見えてくるよう…
リハーサルながら、すっかりと聴き入ってしまいました。

 

 

リハーサルも無事終了し、本番まで控え室で待機します。
お二人共「冷えるなぁ」と手を擦り合わせていました(もちろん僕もですが…)。
この時点で20時を過ぎた頃。プレイヤーにとって寒さは天敵ですね…

 

そしていよいよ本番へ。
司会の方に紹介され、拍手の中、庭園へ足を踏み入れる守家さんとジョンさん。
寒さの増した空気。
全員の視線が守家さんの手に。

 

 

しん、と静まり返った庭園にウッドベースの滑らかな低音が響き渡ると、少しずつ空気が動いていき、守家さんの元に吸い込まれていくよう。

 

 

やがて指弾きに切り替わり、
ピアノの音が聴こえる頃には完全に空間を掌握されていました。

 

 

気がつけばあっという間に20分間は終了。
まさに一瞬の出来事のようでした。
時間も遅かったため、急ぎで機材をバラし、搬出の準備をし…。
各スタッフの方々にご挨拶を終えた後、家路につきます。

 

 

駅で守家さんと!
(この後、終電のために走ることになります,,,)

 

その後なんとか電車に乗り込み、1時間近く揺られて大阪へ。
ここで守家さんと別れを告げ、疲れながらもなんとか帰宅。
翌日に使用したキーボードを返却し、無事研修終了です!

 

守家さんはギターエンジニア専攻卒業生としては決して多くはない、前衛的なトップアーティスト。
アーティストとしての心構え、物事の考え方など、ここには書ききれないほどたくさんのお話を聞かせていただきました。
また、普段めったに触れる機会のないウッドベースに関わり、屋内とは違った現場での動きは他では身につけることの出来ない貴重な経験になりました。
この日の出来事は僕の学生生活において、とても大きなターニングポイントになったのではないか、と感じました。

 

守家さん、ジョンさんをはじめ、研修で関わったすべての方々、そしてレポートを最後までご覧頂いた皆様に敬意を表し、このレポートを締めたいと思います。

 

ありがとうございました。

 

(ギターエンジニア専攻 1年 山中悠)

 


 

■守家 巧(Takumi Moriya)■

Twitter @takumimoriya

76年生まれ。90年代半ばから関西を拠点に活動をスタートしベーシストとして数々のアーティストとコラボレーション。
その後、活動の場を東京に広げ、JAZZ×レアグルーブサウンドのユニット「RM jazz legac」にバンドリーダーとして参加、2枚のアルバムを発表しFuji Rock Festival、Blue Note Jazz Festival in Japanに出演する。
近年は守家巧名義にて、自身の集大成となるピアノトリオによるソロアルバム「Espoir」(2016)と「FAMILY」(2017)の2作品をリリース、ジャンルを超えた様々な音楽シーンにて高い評価を受けている。