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Sound Designの極意

Sound Designの極意

作成日:2015/05/21

5月11日(月)本館7FCATホールにて、 JPPA日本ポストプロダクション協会関西支部による音響効果セミナー~Sound Designの極意~ドラマの音はこうデザインする ~が開催されました。

講師は日本放送協会(NHK)大阪放送局編成部音響デザインの原大輔氏。
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これまで、大河ドラマ「功名が辻」、土曜ドラマ「外事警察」、ドラマ10「セカンドバージン」等たくさんの作品を手掛けてこられました。

まずは原氏が手掛けてこられた時代劇作品の殺陣のシーンを題材に、音響作業のプロセスを見せていただきました。

はじめに、音響作業が加わっていない編集直後の映像を見て、その後、整音を行う(=台詞が聞き取りやすくなる)、フォーリーでの生音を加える(=足音などの音)、効果音を加える(自然音や殺陣音)、音楽をのせる(心理描写と緊迫感をプラス)といった流れを段階的に見せていただきました。

フォーリーというのは、役者の足音や刀の金属音、切り付けた際の音を、実際の音よりもさらに臨場感を生み出すために、様々な手法で音を作り出す作業のこと。今回は、なんとステージ上でフォーリーの実演を行いました!

枯れ草の上を走る足音は、丸めたテープの束を踏みしめて再現。
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刀の当たる金属音は文鎮のようなものを叩いて。
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役者の着物がなびく躍動的な音は、実際に布を激しく振って音を出します。
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「グサッ」という殺陣音はレタスを刺して再現しました。
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映像を見ながらタイミングを合わせて音を出すのはなかなか至難の業です。

その場で録音した音をオーディオシステム「Nuendo」に取り込み、殺陣映像の効果音として再生していただきました。
意外なもので作られた音が、普段見ているドラマや映画に臨場感を生み出す驚きに、学生たちは大興奮!

次に、BGM選曲の効果についての解説をしていただきました。

一つの映像に、イメージの違う音楽を何曲か当ててみて、印象の違いを見せていただきました。
同じシーンなのに、音楽が違うだけで哀愁が漂う印象を与えたり、深層心理に迫るような印象を与えたり、またなぜかコミカルなシーンに思えてきたり・・・。
音楽ひとつで物語の意味合いが大きく変わってしまうのは、大変興味深かったです。

これからドラマや映画を見るときにも、今までと違った視点で興味が沸いてくるのではないでしょうか?
また、いままで勉強してきた「音」の違った一面に気づき、さらに意識を持って学んでいくことでしょう。

貴重な機会をいただきました日本ポストプロダクション協会関西支部の皆様、講師を務めていただいた原様、本当にありがとうございました。

(キャリアセンター 岡本)